JA:Accuracy

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地図には正確さが要求されますが、様々な要因で誤差が生じます。 


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位置

GPS

GPSの情報は正しいと錯覚しがちですが、実際には GPS でとった軌跡は様々な誤差を含んでいます。


Gps-accuracy.png

上の画像(Markinchにある小規模な団地)にはたくさんの GPS データが描かれています。これは GPS による誤差をよく表しているデータです。

まず、画像上部にたくさんある白い線に注目して下さい。これらは Navigo 3100 GPS を用いて、東西に走る幅5メートルの車道を数ヶ月に渡って繰り返し記録したデータです。GPS がとても正確ならば、白い線は上り車線と下り車線を反映して、4メートルほど離れた2つの幅1メートル程度の帯になるはずです。しかし、このように約18メートル程度の幅の帯になっています。これは GPS 機器の誤差によるものです。 上のデータから、この GPS には日によってプラスマイナス7メートル程度の誤差があるのが分かります。

GPS の誤差には、データを取った時間による相関があるため、短い期間で取られた GPS データだけに着目すると、誤差を見落とすことになります。 下の方の軌跡を見てください。これは同じ GPS を使って小さな住居の周りを回ったときの軌跡です。2つの白い軌跡は5分以内に逆周りに移動して取ったものです。この2つの軌跡の間の誤差は1メートル以下です。これだけで、このトレースが正確だと勘違いしてはいけません。この軌跡を同じ GPS で次の週に取り直したら、最大 15 m ほどずれることがありえるのです。

ですから、このような GPS 機器の精度より小さなずれは、特別な場合を除いては、わざわざ修正する意味がありません。

誤差を更に理解するために、ピンクの軌跡を見てください。こちらは異なる GPS ロガーを用いて取った軌跡です。信号が弱いときに得られる典型的な軌跡を示しています。(他の GPS と並べて取ったものなので、これはこの GPS 機器の性能が悪いことが分かります。) 精度の悪いデータの特徴は、角を曲がるときに特にはっきり分かります。角を曲がってもすぐに曲がったことが反映されず、しばらくの間は曲がる前の方向に動き続けたかのような軌跡を示した後、方向転換しています。

これのピンクの軌跡は navigo という古い GPS 機器で取ったものです。WAAS (Wide Area Augmentation System, 米国仕様で日本にはない) をサポートしている GPS 機器は性能が高い傾向がありますが、それでも同じような誤差が生じることがあります。

一般的には、地図データを修正したり編集するときに、ダウンロードした GPS の軌跡の精度を知ることはまずできません。自分自身の GPS で取ったデータであったとしても、1週間後に再度同じようにデータを取ると、数メートルの誤差があるかもしれません。 このように、GPS のデータは常に誤差を含んでいるので、他の人の GPS データがあなたの GPS データとずれていたとしても、それが 20 m 以下ならば、その「誤差」をやたらと修正してはいけません。ただし、修正した方が良い場合が2つあります。ひとつは、道路と道路のつながり方の辻褄を合わせるためです。もうひとつは、たくさんの GPS の軌跡があり、かつその一連の軌跡の中心から 8 m 以上道路がずれている場合です。

システマティックな誤差

GPS では全方向の空がよく見える場所では、システマティックな(再現性のある)誤差はほとんど生じません。しかし、そのような再現性のある誤差が生じる場合があります。

東西に延びている通りがあり、両側にビルが建っているとします。あなたは通りの南側に立ち、ビルの谷間から見える空を通じて、GPS 衛星の電波を受信しているとします。すると、その衛星は東西方向に並んでいるように見えるはずです。

しかし、南側にもひとつの GPS 衛星があるとします。その衛星は南側のビルに隠れているため、直接電波を受信することができませんが、電波が北側のビルに反射してあなたのところに届くことがあります。すると、この衛星からの距離は、ビルに反射してくる分だけ長く見積もられます。つまり、あなたの居場所がその分だけずれていると見なされます。たいていは北に数メートルずれた位置が得られるでしょう。

この場合、同じ場所に立つと毎回同じような誤差が生じることになります。このようなシステマティックに再現する誤差があることを知っておきましょう。

地図上の名前

地図上にあるもの(地物)の名前は、必ずしもはっきりしていないことがあります。

混乱の原因はいくつかあります。異なる行政組織によって同じものに別の名前が使われていたり、標識が間違っていたり、などです。

OpenStreetMap に入力する場合、できるだけ実際に現地に行ってその物を確認するようにします。

また、領土や境界についての争いがあったり、政府がつけた名前と住人が実際に呼んでいる名前が異なっていたりさまざまな曖昧さがありえますが、我々はできるだけ現地の実情に合わせた地図を作成したいものです。

道路標識にどのような名前が書かれているか、また住人がその場所をどのように読んでいるのか、などを可能な限り現地で確認しましょう。

航空写真のひずみ

衛星写真や航空写真を使って地図を書く場合、あらかじめひずみの補正(オルソ化)が必要になります。ひずみを補正することで、初めて実際の地形と辻褄の合う写真ができます。このひずみの補正はいつも完璧に行なわれているわけではないので、必ずそれがどの程度正確なのかを意識してください。

建物が密集している場所では、このひずみ補正が正確かどうか確認するのが容易です。建物の角がきちんとあっているか、直線が直線に写っているかを見て、ひずみの補正がきちんと行なわれているかを確かめることができるからです。また、そのような場所ではたいてい、多くの場所について、他のデータと比較することが比較的容易です。

特に高解像度の写真を見る場合は注意が必要です。高解像度の写真では細かいものが読み取れるため、あたかもとても正確な写真だと勘違いしてしまいますが、ひずみの補正は解像度に比例してより正確になるわけではありません。みかけの解像度の高さに騙されないようにしましょう。

Wavy-map.jpg

上の写真はヘルシンキの高解像度写真です。 メーリングリストでの議論より.

現地を見ると、赤い線は直線の構造物です。写真上でこのように不規則に曲がって見えるのにはいくつかの原因が考えられます。航空写真はある高度から一定の領域を撮影します。そこで撮影した写真の中央付近は真上から見たものですが、写真の周辺は斜め上空から撮影したものになってしまいます。通常そのようなひずみは、撮影高度などのデータを用いて、真上から見たときの絵になるように補正を行ないます。しかしその高度のデータが不正確な場合、写真が不規則にゆがんでしまうことがあります。

そのような要因があるため、写真を見るときはいつもそのずれを意識する必要があります。写真をトレースする場合は、可能であれば他のデータと比較しながら行なうことが望ましいのです。多くの場合は GPS データと写真の上の道路のずれを比較しながらトレースすることになりますが、他の写真と比較しながら行なうという方法もあります。

Yahoo 航空写真の精度についての解説 も参照してください。

古地図

ウィキペディア には、いくつかの古い世界地図が掲載されています。 最も初期の地図は、距離や角度の辻褄すら合っていません。また、独自に作られた地図同士をつなぎ合わせて作られていたりもするため、場所ごとに辻褄が合っていないこともあります。後代のものになるほど地図は正確になってゆきます。

Star-map.jpg

この絵は Potlatch の画面のキャプチャです。GPS でトレースした道路と、1930年代の地図(スコットランド)を重ね合わせています。地図の正確さが場所によって異なることが分かりますが、全般的には地図はかなり正確に作られています。しかし、地図全体に明らかなひずみがあります。特に遠くを見通しにくい場所では、triangulation (三角測量) が難しいため、より不正確になっています。

このように、古地図を使用するときは注意が必要です。地図全体の辻褄が合っていないことが多く、またしばしば他の問題もあります。例えば上の地図には結核療養のための病院がいくつも書き込まれていますが、そのほとんどは現在既に閉鎖されたものです。

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