JA:Open Data License/Substantial - Guideline
背景
Open Data License は'実質的(Substantial)'の用語を、ライセンス内である条項が発効する閾値を定義するために使われているもの、と定義しています。
「実質的」の定義は多くの疑問と不明点をコミュニティにもたらし、特別なOpenStreetMap用ガイダンスが必要と思われました。Open Data License/Use CasesのWhat constitutes a Substantial extract 章の記事内で質問があがっています。
OSMのような他のコミュニティでは、このような用語はコミュニティ内でどのように解釈すべきか、といったことについて自分たちで補足的なアドバイスや"コミュニティ規範"を作成したり表現したりしてきました。
バージョン1.0 での実質的(Substantial)の定義は次の通りです:-
- "「実質的」とは、量、質、又はその両方に関して相当な程度であることを意味する。コンテンツのわずかな部分であっても、その部分の抽出又は再利用が反復的及び系統的に行われた場合には、コンテンツの実質的部分の抽出又は再利用に該当する場合がある。"
このページはOpen Data Licenseに関連して、これ(訳注:コミュニティ内での解釈)を行おうとする試みです。この問題に関して最終的な裁定を下すのは法定ですが、これらの規範は紛争を未然に回避するのに役立ち、法定での評決時に考慮されるでしょう。
ここでは「実質的」の定義よりも何が「非実質的」なものかの定義に主眼を置いています。その「抽出」が「非実質的」の定義に適合しない場合は、「実質的」なものと考えられます。
この定義の目標は次の通りです:
- できる限り我々のデータを、個人的なプロジェクトあるいはローカルコミュニティやローカル教育プロジェクトなどで、また商用プロジェクトであっても、その製品/サービスの主目的に対して、我々のデータがごく小さな付属物である場合、あるいは商用といっても明らかに家内工業である場合などには、気にせずに使ってもらうことを後押しすること。例えば村のマップはOK、町のマップはOKでは無いなど。
- 「実質的」ということについての"定性的"な解釈の事例を構築すること (http://edina.ac.uk/projects/grade/gradeDigitalRightsIssues.pdf, p28)
非実質的(Insubstantial)とは何か
下記の議論において、地物とはウェイ(同じ特徴を持つ道路の一部など)、あるいは飲食店のようなPOI(Point Of Interest)のようなノードを指すものとして定義されます。ウェイ内のノードは地物とはみなされません。森の輪郭のようなエリアの地物は、地物と考えられます。海岸線の1区画は地物と考えられます - 大きな陸地の海岸線全体は多くの地物のリンクから成っています。
OpenStreetMapコミュニティは以下について、「抽出」が1回限りであり、同一あるいは類似のプロジェクトへの反復的なものでない場合に限り、ライセンス内で意味するところにおいて「実質的」ではない、とみなします。
- 100件未満の地物。
- 100件以上の地物であっても、「抽出」が非系統的であり、明らかにあなた自身の質的な基準、例えば友人と共有するための個人的なマップのためにあなたが訪れたすべてのレストランの位置の抽出、あるいはあなたが書いている本の付録として選んだ歴史的な建物の位置の利用、といった場合に限り、我々は非「実質的」とみなします。あるエリア内の全飲食店や、全てのお城の系統的な抽出は系統的なものと考えられます。
- 住民が1000人までのエリアに関連する地物。ヨーロッパの村落などのような小さくて人口密度の高いエリアや、例えばオーストラリアのブッシュの1区画のような広域で人口密度の低いエリアなどが考えられます。