JA:Key:addr:*
接頭辞 addr:* |
説明 |
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addrタグは、住所情報を記述するための様々なaddr:*キーの接頭辞です |
グループ: 住所 |
適用できる要素 |
関連項目 |
状態:事実上の標準 |
taginfo: addr:* |
様々な addr:*=* キーは、建物や施設に住所情報を提供するために使います。詳しい使用法については住所ページの記述も参照してください。
マップ方法
住所を追加する箇所
住所のタグ付は、以下の箇所に対して行います。
- point of interestのオブジェクト
- オブジェクト全体が1つの住所を利用する場合(建物や、学校のキャンパス、地点など)、その外周ポリゴンとなるエリア
- 地点や建物の外周に所属する特定のノード (玄関、出入口)、あるいは、例えばアパートや複数の出入り口がある建物など、オブジェクトが複数の住所を有する場合は、オブジェクトの内側に存在するポイント
- 住所が対象とする範囲が不明な場合はノード
追加するタグ
最低限、以下を追加します。
- addr:housenumber=* (あるいは郵便住所の一部である場合、 addr:housename=*)
- addr:street=* (日本では使用しません)[1]
もし以下の階層が存在し、判明している場合は以下を追加します。
- addr:city=*
- addr:postcode=* (要素1つ1つごとに入力するかどうかは、国によって異なります)
- addr:country=* (国によって利用状況は異なります)
もし郵便住所の一部である場合、以下を追加します。
- addr:suburb=*
- addr:state=*
- addr:province=*
- addr:floor=*
OSM Cartoスタイルでレンダリングされる際のサンプル:
addr:city=* など、上位階層のタグはしばしば冗長なデータとなります。もし適切なバウンダリリレーションが存在し、正しく構成されている場合、それらの値は自動的に計算可能であるためです。
addr:country=* の使い方は国によって異なります。例えばドイツではタグ付に必要だと考えられていますが、ポーランドでは不要と考えられています。
- ↑ 訳注: 日本では街区による住所システムのため、addr:street=* は使われません。日本の住所システムについては 「街区 Block number address systemについて」を参照してください
収集方法
- Rapid Address Collection では、住所情報を迅速に収集する方法について解説されています。
一般的に使用されるサブキー
キー | 値 | 要素 | 説明 | レンダリング | 写真 | |
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個人の住宅用のタグ | ||||||
addr:housenumber | ユーザー定義 | 住居番号です(数字以外の文字列を含んでもかまいません)。 1つの建物に対して複数の住所がある場合のタグ付けは、住所を参照してください。 addr:housenumber=* だけをタグ付けするのではなく、少なくとも addr:street=* または通り名がない住所では addr:place=* を追加してください(または、通りに associatedStreet リレーションまたは street リレーションで所属させるようにしてください)。 |
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addr:housename | ユーザー定義 | 家屋の名称。 イングランドなど、国によって住居番号の代わりに(あるいは追加される形で)使用されることがあります。 |
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addr:flats | ユーザー定義 | ドアの中の階の番号(範囲または一覧)です。 | ||||
addr:conscriptionnumber | ユーザー定義 | 通りの代わりに居住地に関連する特殊な種類の住居番号です。 conscription numbers はオーストリア=ハンガリー帝国で導入され、現在でもヨーロッパの一部で使用されており、時には通りに関連する住居番号とともに、 orientation numbers と呼ばれます。 | ||||
addr:street | ユーザー定義 | 所属する通りの名称。 近隣に、正しい名称とhighway=*タグが付与されたウェイを設置するべきです。所属する通りを示す方法として、associatedStreetリレーションまたはstreetリレーションで表現する方法もあります。もし行政境界のポリゴンが正しく配置されていれば、原則的にいって addr:housenumber=* や addr:street=*といったキーがあれば、住所を特定することができるはずです。もしそうでないと思われる場合は、addr:city=*とaddr:postcode=*とaddr:country=*を付与してください。 |
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addr:place | ユーザー定義 | 通り((highway=*)ではなく、何らかの領域の名称(ふつうは島や広場のような place=*)に基づいた住所の一部です。 addr:street=* と一緒に使えません。 | ||||
addr:postcode | ユーザー定義 | 建物または地域のwikipedia:ja:郵便番号です。マッパーによっては boundary=postal_code を好んで使用しています。 | ||||
addr:city | ユーザー定義 | is_in:city=* の内容がそのまま転記されることもありますし、そうでない場合もあります。その建物や領域の郵送先住所における都市名です。(場所によっては、管轄する郵便局の住所にある都市名で、実際の都市の外に当たる地域に配達することもあります)。マッパーによっては、このタグが boundary=administrativeリレーションから演繹可能であると考えています。 | ||||
addr:country | ユーザー定義 | ISO 3166-1 alpha-2 における国名コードを大文字で記載します。 例: "JP"は日本、"DE"はドイツ、"CH"はスイス、"AT"はオーストリア、"FR"はフランス、"IT"はイタリアを表します。 警告: ISO 3166-1コードにおけるグレートブリテン島は "GB"であり、"UK"ではありません。 is_in:country=* も参照してください。 |
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addr:postbox | user defined | Use this for addressing postal service Post Office Box (PO Box, BP - Boîte Postale, CP - Case Postale, Поштански преградак, Поштански фах, Поштански претинац) as alternative to addressing using street names. Example: "PO Box 34" | ||||
addr:full | ユーザー定義 | 対象の地点の住所を示すために適切な住所の構造が見当たらない場合、このタグを使って、住所の全文を記述します。複数行にわたってもかまいません。例: "Fifth house on the left after the village oak, Smalltown, Smallcountry" あるいは "1200 West Sunset Boulevard Suite 110A"など。このタグに格納された内容は、ソフトウェアが機械的に解釈することが困難であることに注意してください。 | ||||
hamlet、subdistrict, district, province(県), stateを使用する国向け | ||||||
addr:hamlet | ユーザー定義 | 対象物が所属する hamlet。フランスでは、ストリート名の代わりにhamletの名称を使うことがあります。 | ||||
addr:suburb | ユーザー定義 | 1つの都市の中で1つの住所表記が繰り返し記載される場合に使用します。該当する居住地の名称を格納してください。suburb(区)についてのオーストラリアの定義を参照してください。 | ||||
addr:subdistrict | ユーザー定義 | 対象物が所属するsubdistrict | ||||
addr:district | ユーザー定義 | 対象物が所属するdistrict | ||||
addr:province | ユーザー定義 | 対象物が所属する province(県)。カナダでは、大文字2文字の略号が使われています(BC, AB, ON, QC, など)が使われています。ロシアでは addr:region の別名として広く使われています。 | ||||
addr:state | ユーザー定義 | 対象物が所属するstate。アメリカの場合は、大文字アルファベット2文字で表される短縮形が用いられます(AK, CA, HI, NY, TX, WYなど)。 | ||||
addr:county | user defined | The county of the object. | ||||
補完方法に関するタグ | ||||||
addr:interpolation | all/even/odd/ alphabetic | それぞれの通りに沿ったウェイに属する住居番号を補完する方法。 詳しい説明を参照。 |
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addr:interpolation | 数値 | 補完用のウェイで表される端点間の住居番号がn番毎であることを示します。 | ||||
addr:inclusion | actual/estimate/potential | 調査の正確さの度合を表すオプションのタグで、住所を補完するウェイを作成するのに使えます。 詳しい説明を参照。 |
詳細なサブキー
より詳細な記法については、以下で承認されました: Proposed features/addr keys (2011-04)
Key | Value | Element | Comment | Photo | Taginfo |
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Tags for parts of a building | |||||
addr:door | user defined | ドアの番号(または名前)アパートやマンション、オフィスや部屋へのドアの番号(または名前)を表します。国によっては異なる呼び方が使われていることがあります(オーストリアでは、"Top"という呼び方で呼ばれます)。もし部屋に2つ以上のドアがある場合、それらを1つずつタグ付けすることができます。
参照: room=* |
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addr:unit | user defined |
大きな団地内にある単一の構成要素や階の数値、文字、名前です。大きな建物で出入口が1つしかないにもかかわらず、建物の内部で異なる棟や建物、階層などに分割されており、さらに、内部のアパートやマンション、オフィスへ到達するために必ず特定の部屋を通過しなくてはならない時に使用します。アパートや、特定階層を専有する部屋、オフィス番号などを表現する際に有用です。これは例えば郵便配達員にとっての必須情報となります。 In the United States, there is no consensus on how to represent secondary unit designators, however according to taginfo it is far more popular to omit the designator and only include the identifier: there are only a few thousand "Apartment/Unit/Suite A" entries versus 46,000 "A" entries as of 2021. This practice only allows data consumers to format the unit as "#A", which the USPS says will result in rejected mail in some cases. [1] Consider using addr:full=* to disambiguate. |
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addr:flats | user defined | 建物の中や扉の先で複数の箇所にアクセス可能な場合のフラットの一覧です。 | |||
addr:floor | Number | アパートやマンション、オフィスの住所に含まれる、階の番号です。もし住所の一部として階の番号が明示されていない場合でも、level=*も追加しておくほうがよいでしょう。 | |||
addr:block | user defined | 都市内のブロック(街区)が住所を持っている場合に利用します。このタグが使われる場合、多くのケースでは街区に対して番号ではなく名称が付与されており、かつ、それらがストリートの名称に追加する形で存在していることがしばしばであることに注意してください。このタグは、インドやエジプト、クウェート等、様々な国で一般的に使用されています。また一方で、日本では addr:block_number=* が一般的に使用されています。この場合、通常は番号が利用され、ストリートの名称の代わりに使用されます。 | |||
addr:block_number | user defined |
都市内のブロック(街区)が住所を持っている場合に利用します。このタグは日本で使われており、日本ではストリートに名前が無く、ブロックの中に住居番号が存在している形態が一般的です。典型的なブロックは番号が割り当てられていますが、名称である場合もあります。詳細についてはJA:住所 § 街区 Block number address systemについてを参照してください。 addr:block=*は、番号ではなく名称を持つことが多いという意味的な違いがあり、日本では一般的ではありません。 |
日本の住所表記について
日本における住所表記は、以下の体系を基本とします。
- addr:country = JP
- addr:province = 都道府県
- addr:county = * 郡
- addr:city = 市町村 / 特別区 (東京23区)
- addr:suburb = * 区(政令指定都市の区)
- addr:quarter = * 大字 (この下の字名が必須である場合にのみ使用)
- addr:neighbourhood = * 町 / 字 / 丁 / 丁目
- addr:block_number = * 街区符号 / 番 / 番地 / 地番 (無番地の場合はこの部分に"無番地"と記載)
- addr:housenumber = * 住居番号 / 号 / 支号 / 枝番号
- addr:flats = * 複合住宅 / 施設の名称
- addr:room = * 複合住宅 / 施設の部屋番号
- addr:floor = * 複合住宅 / 施設の階層
"*"印がついている箇所は、その地域の体系によっては省略される可能性があります。 詳細なサンプルについては、以下のテーブルを参照してください。
住所の多言語表記
複数の公的な言語がある地域では、以下のように、通常の住所キーの後ろに言語コードを表記してローカライズすることが可能です。
言語コードの指定についてはmultilingual namesを参照してください。
住居番号(housenumber, 日本では号)が存在しない住所
- もし住所に対して住居番号が割り振られていない場合、 nohousenumber=yes を使うことができます。
(訳注: 日本でも、市役所や病院などの大規模な施設でたまに存在します)
古い(以前の)住居番号
住居番号は変更されることがあります。その場合、以前の住居番号の記録を残しておくことが便利です(例えば、それらの番号が表記されていることで、新旧の番号が曖昧にならない、などです)。古い番号を記載する場合、old_addr:housenumber=*を利用してください。同様に、住居番号がストリートではなく地名(place)に紐付いている場合は old_addr:place=* が使われます。
参照情報
- addr:streetnumber=* - チェコ共和国で"číslo orientační"として利用されていることが知られる、セカンダリの住居番号
- contact:*=* - 連絡先を表記するための接頭辞として、いくつかのcontactタグがあります。
- タグ提案 Proposed features/House numbers/Bremen Schema では contact:*=* を使うことで住所の重複を排除する方法が提案されています。
- 2008 Proposal Proposed features/House numbers/Karlsruhe Schema
- 2011 Proposal Proposed features/addr keys (2011-04)
- 2011 Proposal Proposed features/addr:place
- 2019/10 Proposal Proposed features/Addr:milestone for distance based addresses
- 2022 under active discussion on Talk GB is Addresses in the United Kingdom - tags on this page are part of this discussion.
- Proposed_Japan_tagging/Places - 日本におけるquarter/neighbourhoodのタグ付け見直しの提案(承認済み、2022年)