JA:Indoor/use cases
このページでは、屋内マッピングの基本的なユースケースをいくつか取り上げ、それぞれの特徴について説明します。各ケースについて、既存のマップ例も掲載しています。
また、このドキュメントには内部アドレスの例も含まれています。内部アドレスとは、コミュニティ内でオブジェクトの位置を示すために使用されるアドレスです。たとえば大学の建物の場合、部屋番号が利用されており、「324号室(room 324)」のように表記されます。アパートでは、住戸番号が付けられており、「125号室(apt 125)」のように表記されます。小売店では、商品が「8番通路E棚4番(aisle 8 bin E shelf 4)」のように場所に表示されます。スタジアムでは、「123番セクション24列H席(section 123 row 24 seat H)」のように座席が表記されます。飛行機には、座席に関連付けられたマップと内部アドレスがあり、「23D席(seat 23D)」のように表記されます。屋外マップで郵便住所が位置を示すのと同様に、これらの施設固有のアドレスは、屋内マップにおける位置を示す識別子となります。
ショッピングセンター

ショッピングセンターやショッピングモールには、多くの場合、複数のフロアにわたる様々な注目すべき地物があります。shop=mallは施設全体を表せるタグですが、「内部」についてはどうでしょうか?
ショッピングセンター内部の注目すべき地物は、店舗やレストランです。一般的に、ユーザーは各店舗がラベル付けされたショッピングセンターのマップを見たいと思うでしょう。その他にも、トイレ、エスカレーター/エレベーター/階段なども魅力的な要素です。ショッピングセンターには100以上の店舗が入っていることもあります。店舗の入れ替わりは比較的速く、典型的な月でもテナントが入れ替わることがあります。ショッピングセンターの情報を常に最新の状態に保つのは容易ではありません。
ショッピングセンターのデータの管理を容易にするために役に立つ方法の1つは、マップと店舗情報を別々に管理する方法が有効です。各店舗はショッピングセンター内の特定の区画に割り当てることができます。ショッピングモールのマップデータには、店舗番号リストとディレクトリの両方が含まれていることがよくあります。ディレクトリは頻繁に更新され、店舗リストは店舗アドレスに基づいてマップと照合できます。
ショッピングセンターは、多くの屋内マップの会社が最初にカバーした場所でした。
ショッピングセンターは、単一の大きな建物で構成されている場合もあれば、複数の独立した建物で構成されている場合もあります。また、店舗の入り口は建物の内側にある場合もあれば、外側に面している場合もあります。ショッピングセンターのマップが施設側から提供されている場合、通常は屋内と屋外が統合されたマップが表示され、各階は複数の建物を横断する断面図として示されます。これは屋内マップの表示方法としては一般的ではありません。通常、屋内は各建物ごとに個別に表示されます。
ショッピングセンターは一般的に1つ以上の建物で構成されています。店舗は内部通路に面している場合もあれば、外側に面している場合もあります。対象となるのは店舗です。その他に重要な対象としては、トイレ、階段/エスカレーター/エレベーター、床の開口部(私たちはこれを「開放された障害物(open obstructions)」と呼んでいます)、その他の部屋などがあります。
例:
ショッピングモール内のよくあるアドレスには、以下のようなものがあります。
- ユニット - 特定の店舗が入居する区画
- セクション - セクションマップの場合、個々の店舗の位置は表示されません。
空港
空港は多くの場合、複数の大型ターミナルで構成されています。マップに表示すべき場所としては、チェックインカウンター、保安検査場、税関、待合エリア、搭乗ゲート、店舗、レストラン、手荷物受取所、地上交通機関などが挙げられます。ショッピングモールと同様に、空港内の店舗も頻繁に変更される可能性があります。
空港内のアドレスの例:
- 搭乗ゲート
- ユニット - 店舗およびレストラン
- ターンテーブル - 手荷物受取所
- チェックインエリア(通常、ユーザーには表示されません)
大学施設/大学キャンパス
大学キャンパスは、最も多様な施設形態の一つです。教室、オフィス、研究室を備えた学術目的の建物、学生寮、図書館、(店舗が入居した)学生センター、運動施設など、様々な施設があります。
大学キャンパスにおける一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 部屋 - 教室、オフィス、学生寮、研究室
- 建物
- ユニット - 店舗(例:学生センター、スタジアムなど)
- セクション/列/座席 - 競技場、劇場
鉄道駅
鉄道駅は、建物ではない屋内マップの一例です。
駅における一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 線路
- プラットフォーム
カジノ
カジノは多くの場合、非常に大規模です。通常、大型ホテル、カジノフロア、店舗、レストラン、劇場などが一体となっています。
スタジアム
スタジアムマップにおける重要なオブジェクトは、セクション、座席、列、トイレ、売店、チケット売り場、チケット引換所、救護室、警備室などです。
会場にマッピング技術が応用されていることを示す例として、このスタジアムをはじめとする多くのスタジアムでは、各座席からの眺めを示す会場レベルのストリートビューが提供されています。
一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- セクション/行/座席 - 階層的アドレス
駐車場
駐車場には、車両の経路と歩行者の経路の両方が含まれます。駐車場の複雑な点は、階層間を結ぶスロープ(傾斜路)の存在です。これは、明確な垂直方向の通路とは異なります。通常、この問題に対処するために、スロープの途中で切り込みを入れ、そこで階層を分離します。各階の同じ位置で切り込みを入れることで、同一階層内で積み重ねに関する問題は生じません。
ビジネスキャンパスに関連する一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 駐車スペース
- 階層またはセクション
集合住宅(アパート・マンション)
集合住宅において、主な対象となるのは各住戸(ユニット)です。駐車場や各住戸の位置をマップ上に示すことは、目的の住戸を探す際に役立ちます。各部屋の内部は通常プライベートな空間であるため、内部を詳細に示すことは一般的ではありません。ただし、販売やリースなどの目的で、住戸内部までマップに含める必要があるケースもあります。
病院
病院は非常に広大な施設です。利用目的によって、必要とされるマップの内容は大きく異なります。患者向けの案内図は、病院内の各エリアを示す程度の非常にシンプルなものが適しています。実際、病院では患者が迷わないように、多額の費用をかけて案内標識(サイン)を設置しています。一方、病院職員が資産管理などを行うためのマップには、各部屋まで詳細に示されたものが必要となります。
病院に関連する一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 部屋
- 建物
- 診療科・部門
- エレベーター(番号が振られている場合あり)
- 階段(番号が振られている場合あり)
小売店
小売店において重要なのは、各セクション、そして通路や陳列什器です。店舗内に別のテナント(店舗)が入っている場合もあります。また、トイレ、カスタマーサービス、レジなども重要な要素です。
小売店に関連する一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 通路/陳列棚/棚 - 階層的なアドレス
- セクション
- ユニット - テナント向け(店舗内の区画)
オフィスビル/ビジネスキャンパス
ビジネスキャンパスは、大学キャンパスと似た構成ですが、施設の種類はそれほど多くありません。大学キャンパスと同様に、非常に詳細な情報が求められます。主な対象となるのは、オフィス、ワークスペース(キュービクル)、会議室などです。
ビジネスキャンパスでは、非公開のマップがよくあります。OSMでは多くの場所がマッピングされているわけではありませんが、マッピングモデルては、こうしたユースケースにも対応できるべきです。
ビジネスキャンパスに関連する一般的な内部アドレスには、以下のようなものがあります。
- 会議室
- オフィス
- 個別作業スペース(キュービクル)
住宅
住宅をマッピングすることは一般的ではなく、必ずしも必要とされるわけではありませんが、技術的に行うことは可能です。住宅の場合は、部屋単位のより詳細なレベルでマッピングすることになります。住宅には、部屋同士が仕切りなくつながっている「オープンな間取り」も多く見られます。住宅は、壁と部屋を別々の要素として描くことの重要性を示すよい例と言えます。
クルーズ船
クルーズ船にもマップが存在します。クルーズ船のような対象における一つの特徴は、固定された座標を持たないという点です。そのため、相対的な座標系を用いてマッピングする必要があります。
マッピングの対象となるものには、客室、レストラン、娯楽施設などが含まれます。
内部アドレスの例には、以下のようなものがあります。
- 客室
- デッキ
納骨堂
これは非常に珍しい例ですが、遺骨を安置する場所、いわば「屋内の墓地」のような施設です。建物内は入り組んだ迷路のようになっており、床から天井まで、骨壺を収めるための小さな区画(棚)が並んでいます。