JA:Wikidata

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ウィキデータは、コミュニティにより運営されウィキメディア財団が提供している、フリーなナレッジ・ベースです。リンクトオープンデータ用のレポジトリを提供するとともに、ウィキペディアとその姉妹プロジェクト(ウィキボヤージュなど)をサポートすることを目的としています。ウィキペディアと同様に、誰でもウィキデータを編集することができます。またウィキペディアと同様に、独自の情報源ではなく引用の集合体です。ウィキデータのデータはCC0 (「パブリック・ドメイン」)ライセンスのもとで提供されています。ただし、一般的にウィキデータからOSMにデータをインポートすることはコピーライトの非互換性のためできないことに留意してください(詳細は該当節を参照してください)。

なぜウィキデータにリンクするのか?

ティム・バーナーズ=リー卿が考案した“Five stars of open data”では、5番目の最高レベルは“あなたのデータを他のデータにリンクしてコンテキストを提供しよう”です。 ウィキデータID(ソフトウェアはURIとして理解します)を含めることで、OSMオブジェクト内で(そして実際にOSMウィキ上のタグ定義ページ内で)、私たちはそのオブジェクトをウィキデータ上のオブジェクト(項目)にリンクし、さらにそこから直接または間接に、多数の他システムの項目にリンクします。これによりOSMはLinked Open Data graphの一部となり、そこから孤立したシステムではなくなります。

より実際的には、誰でもOSMに問い合わせをすると、付加的なデータや、そのOSMオブジェクトについての他のデータベースヘのリンクを参照することができます。これは、例えば、現在あるいは過去の様々な時点のある町の人口や、ある建物の建築家の誕生日や出生地や肖像画、あるいは先週の自然保護区での降雨量を示すシステムへのリンクかもしれません。言うまでもなく、時にはより複雑な“この村で生まれた人々により書かれた全ての科学論文を引用数の順に”といったクエリーもあるでしょう。(こうしたサードパーティーによるデータには、OSMと互換性のあるライセンスによるものもあれば、そうでないものもあります。買い手に責任あり。)

ウィキデータをIDの仲介者として利用できることで、OSMオブジェクトに外部のシステム・データベースを指すrefタグが増殖してしまい、メンテナンスが負担となることを防ぐことができます。ある特定のシステムへのrefによる参照が、OSMの一部となるだけの特異性を備えているのか、そうではなくウィキデータに依存するべきなのかは、しばしば論争になります。

OSMにおいてウィキデータタグを含めることは、ウィキメディア・コモンズのハイライト・インフォボックスのような外部システムがOSMのオブジェクトを検索して利用できることを意味します。(利用法の節を参照してください)。

ウィキデータはウィキペディアでは*ない*

ウィキデータはウィキペディア以外の多くの情報源からのデータを含んでおり、また多くのウィキデータ項目が元々ウィキペディアのページから生成されたものではありますが、曖昧に命名されたウィキペディアのページをウィキデータではよりデータベースらしくなるよう改名しています。

ウィキデータの項目はウィキペディアの複数言語版のページを指しており、それらが相違しているかもしれません。ウィキデータの力はそれ自身が含んでいる引用された情報にあるのであって、そこからリンクされたウィキペディアの記事にあるのではありません。

OSMからウィキデータへのリンク

WdOsm-semanticBridge.jpg

OSMオブジェクトはその種別によらずwikidata=*キーによってウィキデータのエンティティにリンクすることができます。このキーは'Qnnnnn'という書式を用います(たとえばQ936はOpenStreetMapを表現するウィキデータ項目です)。オブジェクトは言語非依存ですが、OSMのほかの要素とは違ってこのキーは人間可読ではありません。

OSMとウィキデータの間は常に1対1に対応するわけではありません。あるウィキデータ項目がOSMデータベースの複数の異なるオブジェクトに対応するかもしれません。たとえば自治体(boundary=administrative)、place=neighborhood, place=city, place=islandがそれぞれ同名だがOSMでは別々にマッピングされているかもしれません。この場合、ウィキデータの項目を分割することも検討してください(どうしたらいいか自信がない場合には助けを求めましょう)。

OSMでは複数の一連のオブジェクトとしてマッピングされているウィキデータ項目もあります(たとえば長い道や河川)。そのような場合、ウィキデータ項目をOSMの適切なリレーションにリンクすることができます。

オブジェクトをリンクするもう一つのやり方としてwikipedia=*を使うことがありますが、ウィキペディアよりもウィキデータの方が不可分な要素で構成されていてずっとデータベースらしいです。wikipedia=*タグには人間可読であるという利点がありますが、様々なOSMツールがQIDだけでなくリンクされているウィキデータ項目のラベルも一緒に表示するようになっています。

ウィキデータでは重複した項目が作られ、後に発見されてマージされる可能性があります。そのうち片方(たいていは若い方)はリダイレクトになります。ある種の問い合わせでリンクが無視されてしまいかねないので、OSMはリダイレクトであるオブジェクトを参照するべきではありません。そのようなリンクを見つけたら更新すべきです。

タグの修飾子として

主な記事:Key:wikidata#Secondary Wikidata links
  • brand:wikidata=* は店舗などがブランド、たとえば「バーガーキング」Q177054の一部であることを示すために使われます。人間可読なbrand=Burger Kingに加えて使用されるかもしれません。Name Suggestion Indexは各種タグの1つとしてbrand:wikidata=*を提案することができ、iDVespucciJOSM、その他のエディターでプリセットを運用するのに使用されています。
  • operator:wikidata=* はブランドに似ていますが、おそらくフランチャイズに使われます。
  • species:wikidata=*species=*の機械可読な形式として、木に組み合わせて用いられます。
  • network:wikidata=*network=*の機械可読な形式として、道路やサイクリング用ネットワーク、あるいはレンタル自転車やATMネットワークに用いられます。

ツール

OSM要素にウィキデータをリンクする

下記を使ってwikidata=*項目の識別子をOSMエレメントに追加できます:

  • ID オンラインエディタ – “OpenStreetMap と Wikidataを接続する” (Mapboxのブログ記事)参照。
  • JOSM エディタはウィキデータ項目をブラウザで開けます。
    • JOSM/Plugins/Wikipedia – ウィキデータにクエリーをかけるボタンがあり、選んだウィキデータ項目を近くのwikidataオブジェクトからタグ付けできます。
      • 座標はJOSM内からウィキデータ項目に直接コピーできるということに注意してください。単に適切なノードを選んでCtrl+ Shift+C を押して、項目の位置座標欄にペーストします。
  • OSMgadget – ウィキペディアの閲覧中にOSMデータを表示するMediawikiガジェットです。
  • OSM ↔ Wikidata (osm.wikidata.link) – 対応関係の可能性を検出してOSMに手早く追加できます。
  • Wikipedia where in OSM (WIWOSM) OpenStreetMapの地理的オブジェクトをウィキペディアの記事に表示するプロジェクトです。

検証ツール

  • Sophox: OSM用のSPARQLクエリサービスで、連携クエリによってウィキデータのデータを統合しリンクを検証することができます。
  • wdlocator: OSMとウィキデータのデータを統合したスクロール地図
  • OSM-Wikidata Map: OSMとウィキデータのデータを統合したスクロール地図

場合によってはwikidata=* は別のキーの接尾辞として使われるべき時があることに注意してください。例えば、OSMの店舗をウィキデータのブランドのオブジェクトにリンクしたい場合、brand:wikidata=*を使えます。彫像はartist:wikidata=*subject:wikidata=*などでタグ付けできます。

品質保証

ウィキデータのユーザースクリプト

ウィキデータ上のユーザースクリプトの中にはOSMエレメントに一致するウィキデータ内の特定の項目用にOSM由来の地図を描画できるものがあります:

  • GeoHack replacement script – 地理座標からGeoHackへの外部リンクを、特定の地図プロバイダー(たとえばOSM)への直接リンクに置き換えます。
  • overpass – 現在の項目がタグづけされているOpenStreetMapの地物を表示する地図を埋め込みます。Overpass Turbo利用。
  • ClaimMaps – "OpenStreetMap relation ID" (P402) や "geoshape" (P3896) の文に地図を追加します。
  • osm.js – 項目ページのツール節にOSMへのリンクを追加します。

ウィキデータからOSMへのリンク

  • OSM リレーション IDはProperty P402を使ってウィキデータのレコードに追加できます
  • OSM ウェイ IDはProperty P10689を使ってウィキデータのレコードに追加できます
  • OSM ノード IDはProperty P11693を使ってウィキデータのレコードに追加できます
  • ウェイやノードはウィキデータから見ると安定なIDとはみなされません。なぜなら、たとえばノードは削除されてポリゴンとして追加されるかもしれません。(実際のところこれはそんなに頻繁に起きるのか?)
    • この問題を解決するためにPermanent IDが提案されています。
  • リンクされたOSMリレーションはここで一覧できます: Special:WhatLinksHere/Property:P402 または このクエリ.
  • 2020年1月31日の時点で105552件のOSM IDがウィキデータに存在しています。

ウィキデータにおけるOpenStreetMap関連のプロパティ

OSMタグとキー

OSMのタグとキーに相当するウィキデータの項目の一覧はwhat links to Wikidata concept (12) on this wikiwhat links to OpenStreetMap tag or key (P1282) on Wikidataを参照。

See also a query to identify OSM wiki data items not yet linked to Wikidata: items that do not have wikidata concept

ウェブサイトなどでの利用

ウィキメディア財団

各国語版ウィキペディアを含むウィキメディア財団のプロジェクトは、OSMデータを使って地図を表示します。OSMのエンティティがウィキデータIDでタグ付けされている場合、地図上でその輪郭が強調されます。現時点ではPOIには対応していません。shapeとlineのみがこの方法で表示されます。w:mw:Help:Extension:Kartographer#External_dataを参照してください。

wikidataタグのついたOSMのエリア(ポイントやラインは該当しません)はCommonsなどのインフォボックスで強調表示されます。

Kartographer extensionは、wikidata=*がある場合にOSMオブジェクトをウィキペディア記事に結びつけます。たとえばこの記事のインフォボックス中の地図を参照してください。

OSMオブジェクトにタグ付けされたウィキデータIDがリダイレクトになった場合、そのオブジェクトはもはやウィキメディアの地図上で強調表示されません。

UMap

Reasonator

ウィキデータに、人に優しいフロントエンドをかぶせたReasonatorは、現在、ジオタグの付いたエントリーにTagInfoOverpass turboの2つのリンクを表示してこれらのタグでクエリーをかけられるようになっています。

例えば、下記Reasonatorのページ:

https://reasonator.toolforge.org/?q=Q915614

には下記へのリンクがあります:

https://taginfo.openstreetmap.org/tags/wikidata=Q915614
http://overpass-turbo.eu/?w=%22wikidata%22%3F%22Q915614%22+global&R

マップ画像の下に見えると思います。

Kartographer

ウィキデータ項目のユニークな識別子でタグ付けされたOSMエレメントは、Kartographer Extensionを使って、OSMベースの地図へのオーバーレイとして、ウィキペディアのページに表示できます。 Kartographer/OSM参照。

OSM wiki

ウィキデータのページへのリンクを作成するテンプレート:

  • {{Q}} – ウィキデータ項目へのリンクを、そのユニークな(ずっとそうであって欲しい)識別子で表示。
  • {{Property}} – ウィキデータプロパティへのリンクを、そのユニークな(ずっとそうであって欲しい)識別子で表示。

ウィキデータとOSMへのクエリー

ウィキデータのデータは多くのやり方で参照できますが、そのひとつがSPARQLです。OSMデータはSPARQLを使ってクエリーをかけられるので、ウィキデータはこれた2つをWikidata “連携” し、同時にクエリーをかけられます。

ウィキデータ連携による特定のOSMベースのサービス:

データのインポート

OSMからウィキデータにデータをインポートする

OSMからウィキデータにデータをコピーすることは(他のウィキペディア・プロジェクトからでも同じですが)許可されていません。なぜならウィキデータはパブリック・ドメイン流のクリエイティブ・コモンズCC0ライセンスを使用しており、これには表示や継承といった条項が全く含まれていないからです。これはあなたが、たとえばあなた自身の現地調査によって、自分で生成したオリジナルデータには当然適用されません。

ウィキメディアのリーガルチームのアドバイスは次のようになっていることに注意してください: 「またEUのデータベースについては、EU指令が些少のデータであっても反復継続的で体系的な抽出を禁じているため、ボットやその他の自動化されたやり方でデータを抽出することを避けるべきです。」(w:m:Wikilegal/Database Rights#Conclusionより)。

ウィキデータからOSMにデータをインポートする

ウィキデータはCC0ライセンスを使用しており、これは一見するとOSMへのインポートができるように思えます。しかしながらOSMは、一般論として、ウィキデータからのデータインポートを認めていません。これはウィキデータへの投稿によく使われている情報源が理由です。つまりウィキデータのデータのかなりの部分がウィキペディアから収集されたものであり、そこではたとえばほとんどの地理座標がOSMと衝突するライセンスを持つ製品を使って/コピーして作られています。

CC0ライセンスは「ライセンサーが実際に権利を保有している対象物に対してのみ適用され、そこに含まれている第三者提供物の扱いについては言及を明示的に避けている。OpenStreetMapでの利用についていえば、データセットに含まれているすべてのデータのライセンスを確定し互換性を検証する必要がある」[1]ことに留意してください。

たとえば、Google MapsからOpenStreetMapへのコピーは (間接的であっても)OKではなく、(Google Mapsからウィキペディアへコピーされた)ウィキデータの座標もOKではありません。ウィキペディアは座標データの取得にGoogle Maps[2]やその他のOSMでの使用がOKではないソース[3]の使用を認め、推奨している、ということに注意してください。

ウィキデータにある他のデータにも同じことが適用されます。

OSMと互換性のある情報源からインポートされたウィキデータのコンテンツだけがインポートOKです。たとえばウィキペディアから取得された座標は除きます。

OpenStreetMap は白よりも白くあろうとしており、データはあらゆる国において法的に利用可能であるべきです[4]。それゆえOpenStreetMapは sui generis database rightを受け入れています。結論すると、ウィキデータの情報のOSMへのインポートは、ウィキデータでは著作権関連の基準がOSMより低いため、一般的に許可されません。さらに、ウィキデータには私たちが利用を許可されていないソースからのデータを含むものもあります[5]

まれに、そのデータが受け入れ可能な著作権状態であることが検証できる場合は、ウィキデータのデータを一部使うことは可能です。

過去の活動

  • 2013-09-12: ウィキデータのIDを多数のOSMオブジェクトに自動的に追加する提案がありました。
  • 2016-10-27: Mapbox がインポートの手順を提案しましたが、それについてのコミュニティからのフィードバックを得られずしばらくしてリバートされました。
  • 2016-11-17: Mapboxに触発された大量編集 もありましたが、コミュニティでの議論が深まるまで保留とされました。

OSMについての学術論文

ウィキデータにはOSMについての学術論文の詳細があります。They can be seen at Scholia.

メモと出典

関連項目

Wikidata
Wikidata has a page on OpenStreetMap.