JA:Tag:junction=circular
junction = circular |
説明 |
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車両が通行できない中央島の周囲を回るが、環道に優先権がない交差点です。 |
グループ: 道路 |
適用できる要素 |
依存するタグ |
よく併用されるタグ |
状態:未定義 |
ツール |
タグ junction=circular は 環道通行車両に優先権がない交差点にのみ使用します。
junction=circular はその他の円形交差点とともに ロータリー交差点 が含まれます。
ロータリー交差点または円形交差点は、信号機、一時停止標識または道路標示、ゆずれ標識または道路標示などの交差点制御を含むことができます。
訳注)日本の法定道路標識には ゆずれ標識 は存在しません。
環道に優先権がある円形交差点は、 環状交差点(ラウンドアバウト) です。タグ junction=roundabout は環状交差点(ラウンドアバウト)に使用されるべきです。
ロータリー交差点または円形交差点は小さなものから複数の車線を持つ巨大なものまであります。
ロータリー交差点や円形交差点は、それ自身を道路ネットワークの内部に置くことはできず、これは市街を循環する環状道路が円形交差点ではないことを意味します。
目的
このタグは、OSMの環状交差点(ラウンドアバウト)定義が正しくない場合でも経路探索ソフトウェアが円形交差点構造物を認識できるようになります。OSRMはこのタグが実装されています。可視地図のレンダリングに懸念される影響はありません。
名称のタグ付け
ロータリー交差点または円形交差点は、それ自身が名前を持つ場合にのみ name=* が適用されるべきです(「 寿ロータリー」のように)。ほとんどの環境においては a junction=circular は タグ name=* を指定しません。古い fixme=name エラーは無視して削除できます。
マッピング時の重要な考慮事項
junction=circular に接続する全てのウェイは別のノードに接続する必要があります。ロータリー交差点に出入りするウェイは、ロータリー交差点の同じノードに接続しないでください。これは、経路検索ソフトウェアが正しく動作できるようにするために必要です。そうしないと、経路検索ソフトウェアはロータリー交差点を正しく認識せず、単なる交差点であると認識します。
さらに、一般的にロータリー交差点や円形交差点は一方通行でタグ oneway=yes が付与されます
誤判別
次の点を区別するために、「誤解の可能性」に注意してください。
- 環状交差点(ラウンドアバウト) ( junction=roundabout ) — 環道上の通行車両に優先権があります。
- ロータリー交差点と円形交差点 ( junction=circular ) — 環道上の通行車両に優先権がありません。
- ミニラウンドアバウト ( highway=mini_roundabout ) — 通常中央島がある場所の上を通過可能なラウンドアバウトのノードにのみ使用します。
- 転回所 ( highway=turning_circle ) — クルドサック のノードにのみ使用します。
- 転回道路 ( highway=turning_loop ) — 中央島またはそれに類するものがあるノードにのみ使用します。
日本特有の誤解
日本の鉄道駅や空港において、その周辺の各地へ向かうバスが発着するバスターミナル、タクシーのりば、駐輪場や送迎車用の駐車スペースが用意されている場合があります。これらの区域の総称として「駅前ロータリー」「空港ロータリー」等と呼ばれることがありますが、交通流制御の目的をもって設置されたものではない(その目的が含まれていても優先度が低い)ので junction=circular や junction=roundabout ではないと認識すべきです。
ただし、駅前ロータリーであっても環状交差点(ラウンドアバウト)が設置されている事例がありますので、現地調査に基いて適切なタグを選択してください。(例:JR東日本 鹿島台駅 西口駅前広場)
マッピング方法
ロータリー交差点を表す円の形状を描きます。さらに:
- 交差点のウェイは交通の流れに沿った方向に描かれている必要があります。
- ロータリー交差点のウェイに junction=circular のタグを付けます。
- タグ oneway=yes を明示的に指定します。これは交差点の新しい値で、多くのデータコンシューマは、onewayプロパティを暗黙的に引き継ぐことができない可能性があります。
- ロータリー交差点への流入路を接続します。道路が上下線に分かれているなら明示的に描き、それぞれの道路に oneway=yes を指定します。流出路と流入路を円形交差点上の別のノードに正しい向きになるよう注意してください。
- また、ロータリー交差点と流入路は同じ highway=* でタグ付けしてください。複数の重要度の異なる道路がロータリー交差点に接続している場合、最も重要度が高いものを使用し、ロータリー交差点を起点/終点としないでください。正しいタグの選択に関する詳細は junction=roundabout ページにあります。
- 通過する道路とは別にロータリー交差点に独立した名前がある場合は name=* のタグ付けをする必要があります。
- 各道路が個別のノードでロータリー交差点に接続する必要があります。すなわち、これらのノード間でロータリー交差点を区切ることが必要です。これにより、このロータリー交差点を通過する人は安全にロータリー交差点の区切りを識別して、通過することができます。
- タグ highway=give_way を使用してゆずれ標識と道路標示をマッピングすることをお勧めします。
環状交差点(ラウンドアバウト)との区別
- 環道に流入する道路の1つに優先権があり、他の道路がゆずる必要がある場合(例:ベルリン Strausberger Platz )
- 環道通行車両が流入車両に常にゆずる必要がある場合(例:ベルリン Großer Stern )
日本特有の区別
日本のロータリー交差点ならびに環状交差点(ラウンドアバウト)では、下図のいずれかまたは両方が設置されていることが通例です。
- 規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」が設置されていれば junction=roundabout で、警戒標識「ロータリーあり(201の2)」の有無は関係ない。
- 規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」が設置されておらず、警戒標識「ロータリーあり(201の2)」が設置されていれば junction=circular である可能性が高い。しかし、駅前ロータリーの可能性を見極める必要がある。
誤解の可能性
OpenStreetMapでは、環状または広がった道路の地物を記述する様々なタグがあります。
- junction=roundabout ラウンドアバウト
- highway=mini_roundabout ミニ・ラウンドアバウト
- junction=circular ロータリー交差点
- highway=turning_circle 転回所
- highway=turning_loop 転回道路
- highway=passing_place 待避所
- traffic_calming=island 交通静穏化のための島
最初の4つの間の大きな違いは次の通りです。
- ラウンドアバウトには優先道路である一方通行の道路と通過可能ではない中央島があります。信号機があるケースでは、信号が消えている時には環状道路に優先権がある場合に限り、該当します。
- ミニ・ラウンドアバウトには優先道路である一方通行の道路と通過可能な中央島があります。とりわけ、大型車は進行方向に行くためにやむを得ない場合は中央島の上を通過することができます。つまり、大型車はラウンドアバウトを通過できない可能性がありますが、同じ寸法のミニ・ラウンドアバウトならば通過することができます。
- ロータリー交差点は通過可能ではない中央島の周囲の一方通行の道路ですが、環道上の車両がいつでも優先権を持つとは限らず、一部または全部の流入路で流入車にゆずる必要があります。
- 転回所は対面通行の道路で広くなった場所であり、中央島はありません(または、少なくとも完全に通過できる島があります)。中央島がないので、大型車が転回することができます。
とても良くある質問ですが、「違うタグ付けをしても正しく見えるのに、なぜこのタグ付けガイドラインに従うことが重要なのでしょうか?」
答えは次の通りです。地図はすべてではありません。データを処理するアプリケーションがもっとたくさんあり、ルート検索のような場合はこれらのタグが異なる実装になっています。そのため、もし小さいラウンドアバウトをミニ・ラウンドアバウトとしてタグ付けしたり、道路の末端のループを転回所としてタグ付けしたりすると、地図の見かけ上は正しくても、他の利用ができなくなります。そのため、迷惑だと思わずにそれぞれの場面に合うタグを使用してください。
次の表はよくある場面における推奨されるタグ付けと、一部のあいまいな点を明確にしています。
写真 | タグ付け | 注釈 |
---|---|---|
highway=* junction=roundabout |
大きくて通過できない中央島がある、標準的なラウンドアバウトです。 | |
highway=* junction=roundabout |
小さいですが、ミニ・ラウンドアバウトではありません。大きいラウンドアバウトと同様にタグ付けすることが推奨されていますが、簡単にするためにjunction=roundaboutの単一ノードで表しても構いません。この例の場合direction=*タグを指定するべきで、なぜならラウンドアバウトに使用した場合の既定値がanti-clockwise(左回り)だからです。 | |
highway=mini_roundabout direction=clockwise |
中央に円が描かれているだけの、古典的なミニ・ラウンドアバウトです。direction=*タグを指定するべきであり、なぜならミニ・ラウンドアバウトに使用した場合の既定値はanti-clockwise(左回り)だからです。 | |
highway=mini_roundabout |
大きいですが、ミニ・ラウンドアバウトです。中央島は通過でき、標識がありません。 | |
highway=mini_roundabout |
わずかに盛り上がっているが、完全に通過できる中央島がある、こちらも古典的なミニ・ラウンドアバウトです。 | |
junction=circular |
大きくて通過できない中央島がある、円形の交通です。しかし環道上の交通は少なくとも1つの進入路に対してゆずらなければならず、したがってラウンドアバウトではありません。 | |
highway=turning_circle |
この写真は中央に通過できる島がある円形の場所ですが、これはミニ・ラウンドアバウトでもラウンドアバウトでもなく、大型車両が転回できるようにするための転回所です。転回所はどのような形でも良いのですが、通過できない島があってはならないということに注意してください。 | |
junction=circular および中央に/ traffic_calming=island |
優先道路の標示がないので、これはラウンドアバウトではなくロータリー交差点です。また一方通行の表示がないので、oneway=noでタグ付けすべきです。 | |
junction=circular および中央に/ traffic_calming=island |
これも交通静穏化の島があるロータリー交差点です。矢印をよく見て、環状道路にoneway=yesとoneway=noのどちらをタグ付けするか見極めてください。 | |
highway=*
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明らかに車両が方向転換する場所です。しかし島があるので、これは転回所ではなく(島があってはいけない)、これはループとしてマッピングするべきです。簡単にするために、単一のノードに追加するhighway=turning_loopタグが現在議論中です。 |
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