JA:個人情報のマッピング

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OpenStreetMap では世界を自由にマッピングすることを理念としていますが、生きている個人のプライバシーに関わる情報には明確な制限があります。私たちは国ごとの法律に関係なく、国際的なプロジェクトとして個人の権利を尊重する立場を取っています。

このページは、プライバシーに関する合意された慣習やベストプラクティスをまとめたものであり、公式で拘束力のある決定ではありません。また、ここに挙げられている内容は網羅的ではなく、プライバシー上マッピングすべきでないすべての事例を列挙しているわけでもありません。もし、ここに明確に記載されていないケースに遭遇した場合は、法的観点と常識に基づき、その情報を公開することで個人のプライバシーを侵害する可能性があるかどうかを判断してください。判断に迷う場合は、データを追加しないことが推奨されます。

さらに、たとえ個人や団体がプライバシーに関する権利を放棄したとしても、OpenStreetMap には特定の個人データの公開に対する同意を記録する仕組みがありません。また、そのような情報は検証可能性(verifiability)の観点からも適さないため、たとえ同意があったとしても OpenStreetMap のデータとしては不適切です。

一般的なルール

以下の一般原則が適用されます。

  • 個人が住んでいる場所をマッピングしないこと。特に、住居に住人の名前を追加してはいけません。
  • OpenStreetMap は登記簿ではありません。したがって、建物や土地の個別の所有者をマッピングしてはいけません。(関連:Parcel
  • OpenStreetMap は電話帳ではありません。個人の連絡先情報をマッピングしてはいけません。 公的に公開されている事業所やオフィスの連絡先情報は追加しても構いません。
  • 個人名をタグに記載してはいけません。ただし、店舗の看板に名前が表示されている場合、事業名の一部である場合、その他、公的に確認できる場合は例外です。例えば、レシートに印字された情報をもとに operator=* を付けるのは一般的です。
  • 個人の行動、嗜好、習慣をマッピングしてはいけません。
  • プライベートな裏庭(backyards)の詳細なマッピングは控えること。目安として恒久的に設置された個人用プール(必要に応じて access=private を付与)、半公共的な庭園内の構造物 などは許容されますが、それ以上の詳細は不適切または境界線上と考えられます。
  • 個人の所有物やその場所をマッピングしてはいけません。(例:車、テレビ、洗濯機、家庭の家畜の頭数など。)これらのタグは 共同利用の設備(例:キャンプ場のランドリー施設)に限定されるべきです。
  • 個人の私的な屋内設備をマッピングしてはいけません。例:個人宅やアパート内のシャワー、トイレなど。

例外

  • 個人所有の建物、私道(車道・私有地の進入路を含む)、私有駐車場のマッピングは許容されます。必要に応じて access=private を道路・駐車場などに付けてください。
  • 住宅の屋根に設置されたソーラーパネルのマッピングも許容されています。

誰がプライバシー権を持つのか

多くの法域では、プライバシー権は生存している人間にのみ認められています。ただし、場合によっては 法人などの法的主体にも類似の権利が認められることがあります。一方で、故人には一般的にプライバシー権は適用されません。これは GDPR[1] の対象国であっても同様とされています。ただし、故人の近親者が生存している場合、その家族のプライバシーが関係する可能性はあります[2]

一般データ保護規則(GDPR)

主な記事:General Data Protection Regulation

GDPR においては、保護の対象となる個人情報と、保護の対象とならない情報が存在します。

保護される情報:

  • 自然人(natural person)に関する情報

保護の対象外となる情報:

  • 法人(legal person)に関する情報 - 法人名、法人形態、連絡先(会社名、電話番号、住所、番地など)は個人データではない。
  • 故人(deceased person)に関する情報 - GDPR の対象外。ただし、「加盟国は、故人の個人データの処理に関する規則を定めることができる」 [1]とされており、例えば cemetery=grave の文脈では各国の法律が適用される場合がある。

その他の懸念事項

個人のプライバシー以外にも、このページの範囲を超えて特定のものをマッピングすべきでない理由が存在する場合があります。これらについては大まかな合意はありますが、明文化されたルールはありません。

  • 絶滅危惧種の保護。これは、たとえばワシの巣や希少植物の位置をマッピングする場合に該当します。
    • 植物園内の希少植物をマッピングすることは問題ありません。(ただし、場合によってはそうでないこともあります。例:キューガーデンのスイレンのケース)最終的には、状況に応じた判断が必要です。
    • 通行禁止の道路や小径が存在していても、それらを削除する必要はありません。その場合は access=noaccess=private を付けて、存在自体はマッピングします。
  • 安全上の懸念。たとえば、家庭内暴力の被害者のためのシェルター(安全な避難場所)や、特定の地域で迫害されている宗教の礼拝所をマッピングすることがこれに該当します。
    • こうした場所は標識が出ていないことが多く、これは検証可能性の観点とも一致します。標識がある被害者支援施設は、場所を知られることを望んでいるため、マッピングすることは有益です。一方で、秘密のシェルターをマッピングすることは問題を引き起こし、検証可能性の原則にも反します。
  • 先住民の聖地。伝統的な所有者やその代表者が、聖地の場所を保護し神聖性を維持するために非公開とするよう求めている場合、その位置をマッピングすべきではありません。
  • 一部の活動は OSM では許容されても、特定の地域では違法である場合があります。たとえば中国では、特別な許可なしに地図作成を行うことは違法です。 中国のマッピング自体は OSM では許容され、歓迎されています。しかし、中国政府の管理下にある地域で実際にマッピングを行う場合には、個人に法的なリスクが生じる可能性があります。

関連項目

このページはマッピングされる個人のプライバシーを尊重するためのガイドラインです。OpenStreetMap のユーザー、メンバー、サイト訪問者のデータに関する情報については、Privacy Policy(プライバシーポリシー)を参照してください。

外部リンク

参考