JA:変更セット

変更セット (Changeset) は、短い時間で1人のユーザーが行った一連の変更から成ります(編集も参照してください)。
たとえば、地図に新しい住宅地を追加したい場合、1 つの変更セットの中で次のような作業をまとめて行うことができます。
変更セットの地理的な範囲

一般的な推奨事項:変更セットはローカルに保つべきです。
世界中には何千人ものボランティアがいて、(たとえば OSMCha などを使って)自分の担当エリアの地図品質を維持したり、新しいマッパーに助言したりするために、毎日何百もの投稿を確認しています。 しかし、一部の古い/原始的なレビュー用ツールにはフィルタリング機能が限られています。これらのツールは特定の地域と重なる変更セットを抽出できますが、変更セットのバウンディングボックスは、編集されたオブジェクトのうち最も離れた2点によって決まるため、広い範囲にまたがる編集を行うと、その変更セットが多くのマッパーのレビュー対象に引っかかってしまいます。 その結果、実際にはローカルな対象物に触れていないにもかかわらず、レビュー担当者が本来確認したい変更セットに集中しづらくなります。 こうした理由から、内容自体は良い変更セットであっても、範囲が広すぎるという理由だけで問題視されることがあります。
変更セットの最適な大きさについて、コミュニティ全体で統一された合意はありません。「変更セットは大陸をまたぐべきではない」と主張する人もいれば、「都市レベルより大きくすべきではない」と考える人もいます。
競合を避け、レビュー担当者への配慮として、次のことをお勧めします。
- 同じ小さな地理的範囲(市・地区・州など)内の変更を1つにまとめる。
- 変更を同じ国内に留める。
- 別の地域を編集する前に、現在の変更をアップロード/保存する。
備考: JOSM エディタには、広い範囲にわたる編集を複数の小さな変更セットに分割して保存できる機能があり、上記のガイドラインに従うのに役立ちます。
| 国ごとに OSM Wiki のルールが異なる場合もあります。変更セットが小さいほど、レビューや競合発生時の差し戻しが容易になります。一方で、1つの変更を複数の変更セットに分割すると、変更内容が見えにくくなり、差し戻しが必要な場合に複数の変更セットを戻さなければならないこともあります。 |
例:
- 離れた2つの都市で10個のオブジェクトを追加/修正する場合 => 都市ごとに1つずつ、2つの変更セットに分ける。
- 5つの国で5個のオブジェクトを追加/修正する場合 => 国ごとに1つずつ、5つの変更セットに分ける。
類似した変更はまとめる

ローカルな範囲で、同じ種類の変更を1回の編集セッションで行っている場合は、複数の変更セットに分けるのではなく、1つの変更セットにまとめるのが最善です。その方が、他のマッパーが変更内容をレビューしやすくなり、フィードバックも変更セット単位で整理しやすくなります。
変更セットのタグ
変更セットには 名前=値 の組み合わせ(タグ)が付けられます。ほとんどの変更セットには以下の2つのタグを含みます。
comment=*- マッパーがなぜその一連の変更したか、または何を変更したか説明します。一部のソフトウェア(例 www.osm.org)では、このタグはタグとして表示されませんが、変更セットの概要/見出しの代わりになります(こちらのスクリーンショットを参照してください)。
これは必須ではありませんが、このタグを活用して意味のある、人間が書いた(自動生成されたメッセージではない)説明をすることが推奨されます。変更セットの一覧にはこの説明がほぼ必ず表示されますし、他のマッパーがこれを読んで事情を理解する助けになります。変更セットの良いコメントも参照してください。created_by=*- 変更するのに使われたエディタ、またはスクリプトを示します。
他にも以下のようなタグがよく使われます。
imagery_used=*– どの画像がエディタに表示されているかを示しますsource=*– この変更セットに対して行われた編集に使用した情報源を指定しますbot=yes– 自動編集の場合、プログラム(スクリプトまたはボット)によって行われたことを示しますlocale=*- エディタで選択された言語を示します。JOSM ではcreated_by=JOSM/1.5 (13367 en)のキーの値の最後の英字が言語を示します。review_requested=yes- ユーザが変更セットについて誰かにレビューを依頼したいことを示します。 iD と JOSM ではこのタグをつけるオプションがあります。 OSMCha やその他のツールにはこのタグがついた変更セットを見つける機能があります。
iDエディタの v2.4.0 以降では以下のタグがつきます。
hashtags=*– ハッシュタグ。セミコロンで区切ります。例: “#MissingMaps;#Tanzania”host=*- ウェブエディタのURLchangesets_count=*– そのユーザが編集した回数。「0」はその人の初めての編集を示します。ideditor:walkthrough_started=yes– ウォークスルーを開始したかどうかideditor:walkthrough_progress=*– ウォークスルーの進行状況
iD エディタの 2.16.0 アップデート以降、変更セットに検証関連のタグが追加されます。解決された問題は変更セットタグにカウントされます。
iD エディタの 2.15.0 アップデート以降、変更セットに検証関連のタグが追加されます。無視された警告は変更セットタグにカウントされます。
iD issue-changeset-tags の関連ドキュメントも参照してください。形式は次のとおりです: {warnings|resolved}:{type}:{subtype}={count}
iD エディタの 2.13.0 アップデート後、関連する変更セットをメモするために次のタグが追加されます。
closed:note=*– 閉じたノートのノートID [1]
変更セット自体にはタグの変更履歴は保存されません。 ただし、全体の履歴から推測することは可能です。
変更セットのカスタムタグも利用できます。JOSM、Potlatch2、iD エディタでは、エンドユーザーがカスタムチェンジセットタグを指定できます。(データ要素へのタグ付けと同様に、必要に応じて新しいタグを作ることもできます。)
変更セットの閲覧
www.osm.org の 履歴機能では、現在表示している範囲に含まれる変更セットを確認できます。変更セットの地理的な範囲はオレンジ色の長方形で示され、その中にすべての変更が含まれています。広い範囲にわたって多数の小さな変更を行う「ボット」の場合、この長方形は非常に大きくなることがあります。(そのため、実際には関係なさそうに見える変更セットが、そのエリアに多数表示されることがあります。[2])
基本的なオレンジ色の長方形よりも優れたツールが存在します。 OSMCha、Achavi、Changeset by Comparison Visualization、FacilMap などの高度な変更セットビューアは、ブラウザプラグイン OSM Smart Menu を通じて利用でき、www.osm.org の変更セット画面から別ツールで開くことができます。2023年12月時点では、OSMCha と Achavi は中規模の国(約 35 万 km²)ほどの大きさの変更セット、あるいはそれより小さい変更セットでも読み込めないことがあります。一方で、Changeset by Comparison Visualization は、世界規模の変更セットでも問題なく開いて閲覧できます。ただし、これらのツールは機能や用途が異なるため、変更セットを小さく保つことで、より多くのツールを活用できるようになります。
変更セットには、以下の URL スキーマを使って直接アクセスできます。
https://www.openstreetmap.org/changeset/<変更セット番号>
別な方法として、地物の詳細やそれが変更された最新の変更セットに表示されるクエリ機能や選択機能も利用できます。
変更セットの日時
各変更セットにはタイムスタンプ(日時)が付与されています。 openstreetmap.org の Web インターフェイスでは、おおよその日時(例: “1年以上前”)が表示されます。 その日時の上に数秒間マウスカーソルを置くと、正確な日時がツールチップとして表示されます。また、タイムスタンプは XML ファイル内でも確認できます。Web インターフェイスでは、変更セットの詳細パネルの最下部にあるリンクから XML を開くことができます。
変更セットの議論 (Changeset Discussions)
変更セットの議論は、Web インターフェイス上で変更セットのタグの下に表示されるコメントと返信(=ディスカッション)のことです。 ここは、新しいユーザーを歓迎したり、マッピングのコツを伝えたり、問題がありそうな変更セットについて投稿者本人と話し合ったりするのに適した場所です。変更セットの議論は公開されているため、OpenStreetMap コミュニティの他のメンバーも議論に参加でき、合意された追加変更の理由を確認できます。詳細については、ブログで検討の過程を読んでください。
これらの議論に関するいくつかの統計が表示されます。
- 地域/国別: https://resultmaps.neis-one.org/osm-discussions
- ユーザー固有:
誰かが私の変更セットにコメントしました。どうすればいいですか?
他のマッパーは、あなたの編集内容の説明を求めたり、編集内容の情報源(source)を提供するよう求めたり、間違いを指摘したりすることができます。
ほとんどの場合、必ず返信するべきです。 たとえ「わかりません」と答える場合でも、あるいは自分で間違いを修正した場合でも構いません。マッパー同士の公開されたコミュニケーションは、信頼関係を築くうえで非常に重要です。返信しないユーザーの編集は、信頼性が低いと見なされることがあります。
返信するにはログインが必要です。スマートフォンでは操作が難しいためデスクトップ PC のブラウザで openstreetmap.org を使う方が快適です。
間違いを犯しただけではアカウントが停止されることはありませんのでご安心ください。OpenStreetMap の仕組みを理解するには時間がかかることを理解しています。また、編集によって生じた混乱を解消するお手伝いもいたします。ただし、複数回の連絡にもかかわらず、問題のある編集を続けるユーザーには、まず警告(いわゆる 0-day ブロック)が与えられ、その後、アカウントのブロック期間が徐々に長くなります。
誰かの変更セットにコメントしましたが、無視されてしまいました。どうすればいいですか?
もしあなたのコメントが無視され、その内容が編集品質に関するものであった場合、例えば
- 不適切なマッピングをやめるよう依頼した。(理想的には、なぜそれが問題なのかという説明と、OSM Wiki やその他の場所での関連する議論やドキュメントへのリンクを添える)
- なぜその編集を行ったのか説明を求めた。
- そのユーザーに問題のある編集を修正するよう依頼した。
これらが無視された場合、次のさらなるコミュニケーションが可能です。
- ユーザーにユーザーメッセージを送り、該当する変更セットコメントへの返信を求める。
- DWG(Data Working Group)に連絡する。 – DWG は、ユーザーがメッセージを読むまで編集できないようにする「0-hour ブロック」を送ることができます。(ユーザーがメッセージを確認すると解除されます)。
DWG に連絡する際は、短いメッセージで十分です。以下は例です。
To: Data Working Group <data@openstreetmap.org> Subject: User [ユーザー名] is ignoring changeset comments I commented on changeset [変更セットの id] made by user [ユーザー名], to raise concerns about [変更セットにコメントした理由の簡単な説明]. The user ignored me and continued to make further changes, for example: [別の変更セットの id].
変更セットの言語
マッパーが自国より広い範囲、つまり複数の国にまたがる地域を編集する場合は、英語を使用することが推奨されます。たとえば、フランスからインドまで広がるような異例の変更セットのバウンディングボックスが作られた場合、その間にある多数の国のユーザーの履歴ビューに表示されます。このような場合、変更セットのコメントは英語で記述するのが適切です。そうすれば、ほとんどのユーザーがオンライン翻訳サービスを使わずに、追加・変更・削除された内容を理解できます。 例として、バウンディングボックスがイタリアを横断する場合、すべてのユーザーがフランス語やヒンディー語を理解するわけではありません。
同じことは、普段は自国だけを編集しているマッパーが、別の言語圏の国で編集を行う場合にも当てはまります。その国の言語でコメントを書くか、英語で書くのが望ましいです。スペインのユーザーが、ドイツ語で書かれたコメント付きの編集を探している、という状況はまずありません。
変更セットの開始と終了
変更セットは、編集セッションの開始時に「開かれ(opened)」、終了時に「閉じられ(closed)」 ます。一度閉じられた変更セットは固定され、それ以上編集することはできません。変更セットは明示的に閉じられるか(エディタの説明書を参照してください)、または一定時間内(現在は1時間)の間に何の編集も行われなかった場合に自動的に閉じられます。同じユーザーが同時に複数の変更セットを開いておくことも可能です。1つの変更セットに含まれる編集の数には上限があり(現在は10,000要素)、また編集を行う時間にも上限があります(現在は24時間以内)。
技術面

技術的な詳細については、API 0.6 説明書をご覧ください。詳細な説明が含まれています。Get Capabilities 呼び出しは、変更セットに現在適用されている制限を返します。
変更セットは2009年4月に API v0.6 で導入されました。変更セットはそれ以前の編集に対して「統合」されました。(migration code)
一部のタグは当初、マップエディターや品質保証ツールに表示されるメタデータ(完了ステータス、作業内容、概算値、ソースなど)を添付するためだけに要素に使用されていました。API バージョン 0.6 以降、マップエディターとインポートツールでは、追加または変更されたすべてのデータ要素にタグを付けるのではなく、作成する変更セット(変更セットはデータ要素ではありません)にこれらのメタデータタグを添付することが推奨されています。要素のこれらの古いタグは、この wiki で「削除可能」と記載されています。つまり、エディターがデータ要素を更新する際に、自動的に削除される可能性があります。(変更セット内でのみ使用可能であり、最初の変更セットが指すバージョンの要素の履歴には引き続き表示されますが、新しく更新または作成された要素では、これらのタグは使用されなくなり、各要素のバージョンにリンクされた変更セットに添付されます。)
変更セットのダンプ
すべての変更セットを含む大きな bzip 圧縮 XML ファイルが planet.osm.org にあります。
次のコマンドで BitTorrent 経由で最新のダンプ ファイルをダウンロードします: aria2c --seed-time 0 https://planet.openstreetmap.org/planet/changesets-latest.osm.bz2.torrent
変更セット ファイルを解析するためのツールはいくつかあります。
- ChangesetMD を使用してPostgreSQLデータベースにインポートできます。
- ... または osmchanges-postgres を使用します。
- 変更セットダンプファイルは
osmchangesets2csvでCSVに変換できます。
提案
編集を記述するために利用できる、もっと一般的な変更セットタグが Proposed features/changeset_tags で提案されています(以前のバージョンも含む)
関連項目
- JOSM の Wiki では、変更セットの操作方法について説明しています。
- JOSMの reverter plugin を使用した変更セットのロールバック
- Differencing a survey from armchair mapping (Draft)
- OSM Changeset viewer tools
- 変更セット ダンプ ファイルを parquet 形式に変換するコマンド ライン ツールがあります。
- {{Changeset}} - Wiki テンプレート (この特定の変更セットの変更セット ID と変更セット ビューアーへのリンクを追加します); 158665155 (achavi, OSMLab, FacilMap)
参照
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