JA:名称
地物 : 名称 |
説明 |
OpenStreetMap に含まれる地物の名称の詳細を定義します。 |
タグ |
name=* |
OpenStreetMap に含まれる地物の名称の詳細を定義します。
キーの変化形
キー | 値 | 要素 | 説明 |
---|---|---|---|
name | ユーザー定義 | 一般的なデフォルトの名称。注:
| |
name:<xx> | ユーザー定義 | 異なる言語での名前。例: name:fr=Londres。なお、すべてのキーに後述の言語接尾辞を使うことができます。JA:多国語の名称も参照してください。 | |
name:left[:<xx>], name:right[:<xx>] | ユーザー定義 | ウェイの側によって異なる名前を持つときに使用します(2つの自治体の境界をまたいでいる通りの場合など)。 | |
int_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 国際名(注: 特定の言語を使用するときは、name:en=(上記参照)などを使用してください。国際名は(必ずしも)英語を意味するわけではありません) | |
loc_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 地元での名前。 | |
nat_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 国内での名前。 | |
official_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 公式の名前。一般的に使用される名称とは別に、何らかの複雑な正式名称がある場合に有用です。例: official_name=Principat d'Andorra ("名前"がname=Andorraの場所)。 | |
old_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 現在も一部で使用されている、歴史的/古い名前。 | |
ref_name[:<xx>] | User defined | Unique, human-readable name of this object in an external data management system. | |
reg_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 地域的な名前。 | |
short_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 短縮名。ニックネームではなく (alt_name を使ってください) 、認識可能で一般的に使われている短いバージョンであるべきです。検索に有用です (Nominatimから認識されます)。 | |
sorting_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 名前を正しく並べ替えるための名前。――これは綴りだけに基づいて並べ替えることができない場合(言語と書法から作られる照合表によるUnicode照合アルゴリズムを使用する場合、または複数の言語や書法で書かれた名前が含まれる一覧を並べ替えする場合)にのみ必要であり、次のような部分を無視しなければならない場合に必要です。
これらは普通の並べ替えで無視されますが、前処理のアルゴリズムでは簡単に推論できないものです。 | |
alt_name[:<xx>] | ユーザー定義 | 知られている、地物の別の名称。例えば name=Field Fare Road に alt_name=Fieldfare Road、または name=University Centre に alt_name=Grad Pad など。まれに、alt_name=name1;name2;name3 のように、複数の名前をセミコロンで区切ってキーを使用している場合がありますが、この使い方は好ましくありません。 | |
nickname[:<xx>] | User defined | Nickname (e.g. "Warschauer Allee" for BAB 2 in Germany 3140168 3140168). | |
このタグを使わないでください。接尾辞をつけて複数の値をタグ付けする方法は非推奨です。 |
This table is a wiki template with a default description in English. Editable here. 日本語訳の編集はこちら。
注意事項
略称(使用しないでください)
名称が略称を使わずに書ける場合は、略称を使わないでください。コンピューターは簡単に略称を作ることはできますが、逆はできません(St.はStreetかもしれませんしSaintかもしれません)。もし標識に略称が書かれていて、正式名称が分からない場合は、誰かが補完してくれるまでの間、一時的に略称を使ってください。短縮形を使用することはソフトウェアが決めることです。つまり、格納されているデータは完全な通り名を持つべきです。こうすれば、レンダラーや経路案内、位置検索のソフトは必要に応じて略称を使用することができます。 the list of abbreviations used by Name Finder and Nominatim を参照してください。
アルファベットの名称の場合は、単語の一文字目を大文字にしてください。例えば、 Church street ではなく、 Church Street としてください。ただし、現地のルールが優先されます。例えばフラマン語では、姓の一文字目を大文字で書くと、高貴な家系であることを意味します。そういった現地ルールが由来の道路名や会社名は、同じルールを採用してください。アルファベットを使わない言語の場合はその限りではありません。
短縮形が正式名称の場合はそのまま入力してください。(例: Wilts & Berks Canal, British placenames beginning with "St".)
上述のルールとは別として、通りから見える表札に書かれたフルネームを入力するようにしてください。
街路に掲示されている標識には、間違った記述が含まれる可能性があることに注意しましょう。
アポストロフィーに注意してください。同じルールが適用されます。街路の表札の記述にアポストロフィーが含まれている場合、OSMへ記述するデータにもアポストロフィーを含めるべきです。明確な一貫性はありません; ロンドン地下鉄の駅 Barons Court は Earl's Court の隣ですが、一方にはアポストロフィーがあり、他方にはありません。
name は名称だけ
name には主題となっているものの名称だけにするべきで、 カテゴリ、種類、説明、住所、メモなどのような、正式名称に含まれていない追加情報は含めるべきではありません。しかし、もしある物が "East 110th Street" という正式名称を持っているならば、 "street", "110", "east" が他の情報であるように見えたとしても、この通りに設定してください。実際には名称を持っていないものについては、名称を OpenStreetMap に追加しないでください。また、追加の情報は、それぞれの情報の意味が識別できるよう、別々のタグに含めるべきです。
間違った使用例をいくつか紹介します。
- Baldo Forest マルチポリゴン: オブジェクト種別やその他の OSM 用語は、 OSM の外に実在しない限り含めないでください。
- The Royal Albert Hall, London: 同じ名称のものが複数あったとしても、名称の一部として London という地名を含めないでください
- 閉鎖されたパブ(破壊されたため): 名称のところで対象物を説明しないでください。 description タグや、 old_name タグの使用を考慮してください
- 名前なし (以下の 本当に名称がないとき を参照)
- 高速道路の南行車線5本: ひとつの対象物が OSM 上で分割されているとき、 OSM の外で実際にそうなっていない限り、部分に別々な名称をつけないでください。
- Manchester City (Manchester という名称の市に対して、説明のために City をつけないでください。ただし、 New York City は The City of New York の通称として正しいものです。)
訳注:日本では通常、名称に「県」や「市」などを含みます。
本当に名称がないとき
名称のない通りには、多くのマッパーが noname=yes とタグ付けしています。この考えは、その通りに純粋に名称が無いということを示そうとするものです。なぜならば、name タグが無いということは、その地域はまだ調査が必要である、ということを表すようになってきているからです。
左側と右側で名称が異なるとき
ウェイの場合、名称が左側と右側で異なる場合があります。
例えば、ベルギーとオランダの国境に通りがあり、ベルギーでは "Amsterdamsestraat" と名付け、オランダでは "Brusselsestraat" と名付けている場合があります。
これは name:left=* および name:right=* を使って(left と right はウェイの方向に対して)両側で別々に名称を設定することで解決できます。 name=* タグは他のツールに対応するために、両方の名称を含めます。
例:
注意: left と right の名称の違いは、多国語の名称があっても使うことができます(国境付近によくあるので)。そのため、 name:left:fr=* のようなタグも可能です。
複数の名称
地物に複数の名称がある場合は、表の中でより豊富な意味を持つタグを選択してください(short_name=*、 old_name=* など)。もし無いのであれば、 alt_name=* タグを選択してください。
地域化・多言語化
今では大半のレンダリングシステムが Unicode 文字を扱うことが可能であり、既定の name タグの内容として、その地域特有の文字や記法を使用することができます。ラテン文字を使う必要はありません。
詳細はJA:多国語の名称を参照してください。
別な言語に翻訳された名称を追加するときは、追加で接尾辞のついた name:code=* タグを追加して下さい。 "code" には言語の ISO 639-1 コード(2列目)、または ISO 639-1 コードがない場合は ISO 639-2 コードが入ります。
例えば、フランス語の名称には name:fr=* を使用し、英語名には name:en=* を使用します。既定の name タグ(接尾辞のない 'name'タグ)は、その地域で使用されている言語で記述してください。
接尾辞として使用されるタグの例を以下に示します。1つの対象要素に対して、以下を複数付与しても構いません。
name=Irgendwas (標準の名称、その地域で使われているもの) name:en=Something (英語表記) name:el=Κάτι (ギリシャ語表記) name:de=Irgendwas (ドイツ語表記) name:pl=Coś (ポーランド語表記) name:fr=Quelque chose(フランス語表記) name:es=Algo (スペイン語表記) name:it=Qualcosa (イタリア語表記) name:ja=何か (日本語の表記) name:ko=뭔가 (朝鮮語表記) name:ko-Latn=Mweonga(朝鮮語のローマ字翻字)(典拠は BCP 47標準。廃止:ko_rm)
ここから、代替名に関するより正確な定義を導けます。
ISO 639-1 の alpha-2 (2文字)コードによる言語コードの例 :
de ドイツ語 pl ポーランド語 el ギリシャ語 en 英語 es スペイン語 fa ペルシャ語 fr フランス語 it イタリア語 ja 日本語 ko 朝鮮語 ru ロシア語 zh 中国語 ko-Latn 朝鮮語のローマ字表記(典拠は BCP 47標準。廃止:ko_rm)
ja_rm日本語のローマ字表記(BCP 47 標準に従えば、 ja-Latn とするべきです)ja_kana日本語のかな表記(BCP 47 標準に従えば、ひらがな表記は ja-Hira、カタカナ表記は ja-Kana とするべきです)
言語接尾辞に関する短い議論が議論ページにあります。
レンダラーのサポート: これらの地域化された名前を表示するための実験的なレンダリングシステムがいくつかあります。Map Internationalization を参照してください。
インポート: osm2pgsql を使用すると、ユーザーが他言語の名称の列を含めてデータベースに入れることができる、新しい .style ファイルを使えるようになります。これらの列をレンダリングするために PostGIS ビューを「name:言語コード」の代わりに「name」の列として表すよう設定する必要があります。より簡単な別な方法として、lua スタイルファイルで、もしあれば「name:XX」を「name」に移動することができます。
エディタのサポート: JOSM builds 1044 以降ではローカル名の表示をサポートしています。現在のシステムロケールを判定し、最初にその言語で表示しようと試みます。JOSM の高度な設定で name の検索順を変えることができます。例: 現在のロケールが 'en' で、タイ語を最初に表示させたい場合は、次のプロパティを設定してください。
mappaint.nameOrder=name:th;name:en;int_name;name
翻字しない
翻字(ほんじ=Transliteration)はある言語による名称を得るための方法で、単純にある言語の表記法からほかの言語の表記法に置き換えることです。一般に、 OpenStreetMap データベースのタグにおいては、このような方法は避けるべきです。名称がつくものは、都市名に限らず、あらゆる道路やあらゆるカフェなども、直訳が自動生成できます。ですが、こういったたぐいのデータ自動追加は、ユーザ側に任せるべきです。例えば、 Sven Geggus は自動生成直訳レンダリングのデモを作成しました。名称が付いたオブジェクトに対して、自動または半自動インポートでデータを追加することはやめましょう。
代わりに、他の言語で一般的に使用されている名称をデータベースに入れるようにしてください。この作業は「翻訳」と呼ばれています。ほとんどの場合、「翻訳」された名前は「翻字」とは異なります。例えば、スイスのジュネーブ(ジュネーブはフランス語圏ですが、ドイツ語圏の人もいます)に隣接している湖はフランス語で "Lac Léman" と呼ばれ、ドイツ語では Genfersee (訳注:ジュネーブ湖の意味)と呼ばれます(スイスの他の言語圏も接しています)。既定の名称は、都市の名称ならば "Genève"、 湖の名称ならば "Lac Léman" または "Genfersee" のように、いずれか一つにする必要があります。これらの名前は、様々な言語で現地の人々に呼ばれている名称です。(一般的には、JA:グッドプラクティス#地上に存在するものをマッピングするの原則に従います)。単に現地名の読み方を示すだけの翻字は、たとえば「湖」だとわからないですし、実際の翻訳とは一致しないため、これらの翻訳を追加することは役に立ちます。
しかし小さい町や村では決まった訳語が存在せず、翻字を入力しても役に立ちません。翻字には方法が複数あり、利用者がそれらに対して異なるニーズを持っているので、自動変換を行うための適切なツールをユーザーが選択することができるようにするのが最もよいでしょう。例えば、イギリスの小都市は、現地にロシア人のコミュニティがあったとしても、他言語への公式な翻訳を(翻字や適切な翻訳を使って)提供する地域団体が存在する場合を除けば、ロシア語での名称を持っていないことがほとんどでしょう。都市名をロシア語に翻字することは可能かもしれませんが、イギリスのあらゆる都市に直訳タグをつけるのは、良い考えとは言えません。
同様に、たくさんの翻字された名称がウィキペディア(またはウィキデータ)の記事名から頻繁にインポートされていますが、これらのウィキ上の名称は勝手に選択されたものです。 OSM ではこれらの翻字された名称をインポートする必要はありません。1つの言語におけるウィキデータ項目1件やウィキペディア記事1件にしかリンクできないので、他の記事を探せるようにするために、現地で使われている主言語を使うべきです。
対照的に、公用語でラテン文字を使わない一部の国(特に日本、中国、インド、アラブ諸国)では、公式なローマ字表記(英語とは限らない)を使用して、対象となる言語コードがついた適切なタグでタグ付けしてください(現地で複数の記述方法が使われるのはまれであるか、方式が変わった際に歴史的な理由で残っただけかです)。言い換えれば、翻字するためには他の国際的な情報源よりも、現地の情報源のほうが常に適切だということです。(よく知られた国際標準に準拠した名称には、後述する "int_name=*" という別なタグがあります。たとえば空港名は IATA を、それ以外には国際的な地理学上の標準表記法を使ってください。)
loc_name
loc_name には、対象の地物がその地域で呼称されている名称を記入します。ただしこのタグは、地元の方言や、正式名称とは全く異なる呼び方をする場合に使用してください。基本的に、地元の人々が呼称する名称を name タグに入れるようにします。 loc_name タグを使用する例として、以下をあげます。
- グラスゴウには Squinty Bridge と呼ばれる橋があります。しかし、その橋の正式名称は Clyde Arc です。橋がそのように呼ばれていることは、聞いたことがありません。なので、対象の橋には loc_name=Squinty Bridge name=Clyde Arc とタグを付与します。
- Reading には Union Street という通りがあります。しかし、ここ数十年の間、その通りに魚屋が多いことから Smelly Alley と呼ばれています。loc_name は理念的なものです。
alt_name
別な名称が存在するときに使用してください。例えば、通り名に複数の文法のものがあり、道路標識にも記述されていることがある場合です。通り名のみとは限りません。
略称にはこのタグを使わないでください。 reg_name や name:xx(翻訳名用)などの他の種類の名称が適用できない場合にのみ使用してください。
これらの別名はふつうレンダリングされませんが、 Nominatim などのアプリケーションで使用されることがあります。
sorting_name
sorting_name=* とは、対象の地物の名称をシステムがアルファベット順に並び替える際に使用する、提案中のアプローチです。この機能は、例えばロシアなど、 "Street" という単語が対象の名称の接頭辞として組み込まれてしまっている言語で役に立ちます。(単純に 'name' タグの順番で並び替えを行うと、不具合が生じる可能性があります)
過去の名称に対する日付の名前空間接尾辞
過去の名称には date namespace 接尾辞を利用することができます。例 "name:1953-1990 = Ernst-Thälmann-Straße"。
非推奨のタグ
接尾辞が付いた name_1=* や alt_name_1=* などのタグは、タグ付けにはもう使用しないでください。これらはあまりよく定義されなかったインポートの結果です。
現在、 iD エディタはタグエディタで値を二度入力すると、自動的にタグに接尾辞をつけます。編集を保存する際によく確認して、上記のタグのいずれか1つを使ってください。
地図
ITO Map には建物の名称や住所の有無を強調表示するレイヤーがあります。
追加情報
- United States Postal Service Official Abbreviations - アメリカ合衆国郵便公社が採用する略語方式。例:街路の種別ごとにSt Ave など。